お花の豆ちしき

梅雨時の植物管理

 じめじめとうっとうしい梅雨。植物の生育を助けてくれる雨ですが、病害虫の被害が最も多い時期でもあります。放っておけばどんどん広がって、植物が全滅してしまうこともあります。病害虫に冒されたら、素早く対処してください。薬剤を散布すれば、被害の拡大はくい止めることが出来ますが、冒された部分の治療はできません。人間と同じで、予防が一番大切です。

蒸れ防止
 気温と湿度が高いと植物は盛んに成長し、葉が込み合って風通しが悪くなります。風通しの悪い場所にはうどん粉病が発生したり、アブラムシやダニもつきやすくなります。咲き終わった花や枯れ葉はまめに取り除き、清潔に保ちましょう。茎や葉が茂りすぎたら、適度にカットして、風通しをよくしてあげましょう。
 鉢植えであれば、直接地面に置かず、棚に乗せたり、鉢の下にレンガを置いて通気を良くしましょう。アスファルトやコンクリートの上に直に置くのは、蒸れと照り返しのダブルパンチ。植物にとって最悪の環境です。アプローチや玄関先に置く場合は、足付きのプランターや台を利用して鉢底の通気を確保しましょう。

病害虫の予防と防除
 病害虫対策には予防薬の散布が効果的です。病気にかかっていなくても、殺虫・殺菌剤を10日に1回の割合で散布します。それでも病気になったら、直ちに切り落としてください。病原菌は残さないようにしましょう。

根切り虫・夜盗虫
 朝、苗を見ると根元から切れていたり、茎や葉が食べられていたという経験はありませんか?それは根切り虫や夜盗虫のしわざです。駆除には夜懐中電灯でいきなり照らしてみてください。虫がビックリしてじっとしている間に捕まえましょう。日中、株元の土を少し掘ってみると、寝ていることもよくあります。害虫の多くは夜行性だということも覚えておいてください。

ナメクジ・カタツムリ
 ナメクジ・カタツムリは、植物を食い荒らすガーデニングの大敵です。種をまいて、双葉が出てきたのに、翌朝見ると、全部軸だけになっていてガッカリ…。さぞかし新芽は美味しかったのでしょう。
 ナメクジ駆除剤は、スプレー式のものなど各種市販されていますが、夜行性なので、鉢底周囲にまいておびき寄せるタイプが効率が良いようです。手軽に出来るのが、ビールを浅い容器(空き缶など)に入れてナメクジの多い場所に置く方法。ビールの臭いに寄ってきて、中に落ちて死んでしまいます。考えようによっては、幸福な最後?(笑)

 病害虫の多い梅雨時ですが、植物の成長が盛んな時期ですから、挿し木には最も適しています。病害虫をうまく防除しつつ、花と緑を楽しんでください。