お花の豆ちしき

水やりの基本

 植物を育てるとき必要になるのが「水やり」です。よく「水やりは時間がかかって面倒」と言う方が居ますが、ちょっとした基本を知って実行すれば、効率よく水やりが出来て、植物が元気に育ってくれます。

水やりは朝のうちに
 植物は、日光を浴びて光合成を行いますが、このとき水を光合成の原料に使います。また、温度調節のために、葉から水分を蒸散させますので、「水やりは朝のうち」が基本になります。
 鉢植えの場合は周囲の温度変化の影響を受けやすいので、暑い夏場など、気温が上がってから水を与えると、土の温度も上がっていて、水がお湯になってしまいます。これが植物には大敵!根っこがお湯につかった状態が続くと、最悪の場合根っこが死んで、枯れてしまいます。
 夕方や夜の水やりは、基本的には厳禁です。植物の根は、夜に成長しますから、そのときに水が少ない方が、根っこは水を探して長く、たくましく伸びて行きます。また、夜に水分が多いと、ナメクジなどの害虫が発生する原因にもなります。

水はタップリ、根元に与える
 水は植物の根元の土にタップリと与えます。水を吸い上げるのは根っこ。水を蓄えるのは土です。よく、植物のてっぺんから水をかける人が居ますが、水が鉢の外に流れ落ちてしまったりして、時間がかかるだけで効率が悪くなります。
 また、水をタップリやると、土中の空気が押し出されて新鮮な空気と入れ替わるので、植物が健康に育ちます。

効率よく、水をやるには
 鉢植えの場合は、「ウオータースペース」が水やりを楽にするポイントです。鉢の縁と、土の間に2〜3cmの高さの差を作るように植え込んでおけば、染みこむのを待たずに、一気に大量の水を与えることができます。ちょっとした知識があれば、水やりの時間を短縮できるのです。

真夏の水やり
 水やりの基本は朝と書きましたが、カラカラに乾燥する真夏は夕方にも水やりが必要になる場合があります。乾燥した日が続いた場合は、「葉水」と言って、葉っぱにも水をやった方が良いときもあります。朝の水やりを忘れて、枯れそうになったときなどは、真昼であっても、水を与えてください。その場合は、土の温度を下げるために、一度に大量に与えてください。
 夏以外でも、熱風が吹くフェーン現象の日などは、夕方や日中の水やりが必要です。いずれにしても、土の乾き具合などに応じて、臨機応変に与えてください。

 地面に直接植えたものと鉢植えを比較した場合、鉢は器の容量で保水能力の上限が決まり、周囲の温度変化の影響を受けやすいので、できるだけ基本を守ってあげましょう。